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レールヤードの要塞

  • 2011/01/15 20:25
  • Category: 小説
 次回の40k定例会は1月22日(土)の予定です。500ポイント級バトルを行う卓と、1スカッドバトルを行う卓を設置しますので、準備ができる方は500ポイント級アーミーの編成をお願いします。

 さて、明日にサバイバルゲームを控えているラクですが、なんの繋がりもなく40k小説を投稿してみようと思います。

 きっかけはファントリアンとクルージュナポカの設定を考えるところから……でした。もともと小説も携帯ブログ等で投稿していたので(今は全部削除してあります。恥ずかしいのでw)、多少は書けるかなーという感じです。

 短編ですが、良ければ読んでみてください。

 レールヤードの要塞


 数百発の大砲撃を浴び、戦車砲の直接支援を大量に喰らってもなお車両修繕工場はファントリア第204連隊の前進を阻んでいた。

 カラカンダ貨物シャトル基地は鉱石を近隣の工場惑星に運搬するための中継基地だった。惑星ドボイロクⅣにはこうした中継基地が多数存在していた。鉱山からこの中継基地まで鉱山を運ぶ役割を担っていたのが鉄道だった。
 貨物シャトル基地に隣接するカラカンダレールヤードでは各地からの貨物列車を収容し、そこから入れ換え機で荷役線に移動して積み荷を降ろす。そのためにレールヤードは広大で、数百本の線路と数十棟の関係施設があった。
 惑星ドボイロクⅣが戦争に突入した今、レールヤードは空っぽになっている。反乱軍がすべての貨車を補給輸送の為に徴発したためで、広大なレールヤードはがらんとしていた。
 反乱軍はレールヤードそのものも軍事利用した。鎮圧軍がカラカンダを占領しようとしたときに拠点となったのがレールヤードの要塞こと、車両修繕工場である。1日に数百両の蒸気機関車が利用していたこの工場は、今では巨大な防御施設と化している。平坦で見晴らしの良いレールヤードはまるで射撃練習場のようだった。



 「バスカヴィルよりオーフェンローアへ、攻撃を開始せよ」
 「こちらオーフェンローア、了解、交信終了」
 5回目の攻撃だった。
 ファントリア第204山岳猟兵連隊第5中隊長パウル・ゴットシェード少佐は、漂ってくる硝煙でぼやけた目を擦りながら右耳のヘッドフォンを外した。左耳側はつけたままなので、戦闘騒音と無線を同時に聞くことができる。
 指揮装甲車であるツェンタウア軽キャリアーに無理やり取り付けたスピーカーの音量を、車内で縮こまっている通信兵が調整する。ゴットシェード少佐は薄い装甲板に右手をかけ、空いた左手で喉マイクを押さえた。
 「第5中隊、突撃!」
 ゴットシェード少佐の命令が戦場の隅々へ大音量で行き渡り、空気を震わせた。ヘヴィボルターやオートキャノンが車両修繕工場に開いている小さな窓を片っ端から滅多撃ちにし、迫撃砲弾がその穴に飛び込んでいく。
 レールヤードは四六時中続けられた砲撃で、大きな穴がまるでモグラ叩きゲームのようにポコポコそこら中に出来上がっていた。山岳猟兵たちは十分に間隔をとりながら穴から穴へと走り込み、上空から落ちてくるハンマーに叩かれないよう必死だった。もっとも、敵の迫撃砲弾はまばらだった。脅威なのは敵のヘヴィボルターで、ゴットシェード少佐が双眼鏡を覗いている間にも数人が四散する。
 「少佐、ボクスベルク中尉が火力支援を求めています」
 通信兵が振り返りながら無線機を指し示す。左翼で敵の大口径弾が1発、盛大に爆発した。少佐は頭を引っ込めながら、ヘッドフォンを押さえて通信兵に合図を送る。
 「ギュンターか?」
 『はい、少佐。機銃火点を潰すのにプップヒェンの支援が必要です。座標は566-j2、2階、右から2、6、14番目の窓』
 「損害は?」
 『酷くはありません。突撃発起線まで到達可能です』
 「よろしい、直ちに火力支援を開始させる」
 『感謝します』
 ゴットシェード少佐が通信兵の頭を軽く叩いて、周波数を変えさせた。ヘッドフォンから聞こえて来る声が雑音に変わり、それもすぐに消えた。
 「オーフェンローアよりプップヒェンへ、機銃火点を撲滅せよ。座標566-j2、2階、右から2、6、14番目の窓」
 『こちらプップヒェン。了解した、配達する』
 稼働中の工場のような騒々しい音を立てながら、3機のセンチネルが現れた。この兵器は2本の足の上に箱を載せたような、お世辞にも洗練されているとは言い難い戦闘機械だった。
 ゴットシェード少佐が勇敢とも無謀とも言える彼らを見ていると、敵のヘヴィボルターが一斉にセンチネルを射撃し始める。センチネルは噴進弾頭を次々に弾き返しながら狙いをつけた。
 センチネルの横に取り付けられたプラズマキャノンが発砲すると、3つの打ち上げ花火が地上で爆発したかのようだった。小さな3つの太陽は車両修繕工場の窓の一つを蒸発させた。圧倒的な破壊力であるが、それ故の欠点や弱点もある。通常型のセンチネルだと発砲炎で乗員が蒸発してしまい、装甲型だと重くなりすぎてセールスポイントである軽快さが失われてしまうのだ。
 「少佐、ブラウ小隊とローテ小隊が突撃発起線に到達しました」
 副官がゴットシェード少佐の肩を叩き、工場を指し示す。くすんだ色の地面に、ファントリアンの緑色の軍服がちらりちらりと見える。花火のような爆発が立て続けに工場をまた襲う。
 「戦闘団本部へ繋げ。……オーフェンローアよりバスカヴィルへ、工場への突撃準備が完了。指示求む」
 『こちらバスカヴィル、第6中隊は未だ……たった今攻撃準備が完了した。1426時に攻撃を開始せよ。反逆者に死を』
 「オーフェンローア受信せり。反逆者に死を」
 貨物シャトル基地の方角から工場の背後目掛けて大口径弾がいくつも着弾し、線路をほじくり返した。
 「オーフェンローアより全小隊へ。日没までの工場奪回は可能である。ブラウ小隊及びローテ小隊は1426時に突撃し工場1階を占拠せよ。ゲルベ小隊及びプップヒェンは突撃支援に専念しブラウ・ローテ両小隊の突撃後、工場の突入口に移動し付近を死守せよ」
 カニの目のような砲隊鏡に、突撃工兵が工場の壁面に爆薬を仕掛けている様が映し出された。熱い弾幕をくぐり抜けた工兵たちが着弾痕に退避すると、センチネルが援護射撃を開始する。
 3発、しばらく経ってからまた3発。爆破予定地点の上でプラズマが炸裂し、2階の大きな窓をさらに広げた。ほぼ同時に工兵が壁面を爆破、もうもうと砂埃が舞い上がり、ファントリアンの兵士たちは歓声をあげながらその中に消えていく。
 工兵が火炎放射器で突破口を浄化し、そこに突撃する兵士たちは大量の手榴弾を投げ込み、そして着弾痕に隠れた二番槍たちはありったけの重中火器を工場に叩き込む。
 「ゴットシェード少佐」
 後ろから声をかけられて、ゴットシェード少佐はいぶかしんだ。砲隊鏡から目を離してみると副官と通信兵が敬礼をしている。
 「ああ、連隊長でしたか」
 第204山岳猟兵連隊の最高責任者である、フンベルト・フォン・ジッキンゲン少将が軽キャリアーに乗り込んできた。将軍らしくない薄汚れたコートを、これまたやつれた制服の上に羽織っていた。口にくわえたパイプからふらふらと白煙が立ち上っている。彼の後ろにはキメラ歩兵戦闘車の指揮型が2台、停車していた。これに乗ってきたらしい。
 「ああ諸君、そのままでいい」
 「前線視察ですか」
 「朗報も持ってきた。自走重迫撃砲が先ほど到着したぞ。上はベルゲン66連隊の突撃工兵もここに投入する」
 ジッキンゲン少将は砲隊鏡を覗き込んだ。黒煙がいくつか立ち上っている。
 「また派手に穴を開けたな。倒壊しないだろうな」
 「いっそ、全壊した方がマシでしょう。……ベルゲンの突撃工兵は中隊規模ですか」
 「2個中隊だ。ここに投入される分はな」
 「3日持てばいい方です。第2中隊はどうなりました?」
 「駄目だ。どうにもならん。仕方がないから解散して、残存兵員は第3中隊に編入した。といっても16人ではライター分だな」
 ジッキンゲン少将とゴットシェード少佐のつきあいは長かった。ベルゴルド戦役で84連隊が壊滅したときに拾われてからだから、かれこれ6年くらいだろうか。ゴットシェードにとって、ジッキンゲン少将は尊敬すべき救世主で、少将にとっても頼れる部下だった。
 「では、現地民の徴募はまだですか」
 「今、334連隊が教育中だ。オストラヴァはここに比べると平和だからな」
 「だいたい何個中隊分になりますかね」
 「損害分は埋めれるが、警備隊レベルだ。話にならん。使いものになるのは2~3割だろう」
 「早く新規の連隊が到着すればいいのですが」
 「無理だな。上は全部、惑星首府前面のシュコルダ・ラインに投入するつもりだ」
 爆発音と共に新たな黒煙が立ち上る。レールヤードの要塞に対する、5回目の攻撃は成功したようだ。
 だが。ゴットシェード少佐はため息をつく。同じことの繰り返しに過ぎない。4回目の攻撃が成功してから2日で、また反乱軍が主導権を握った。反乱軍の奪回作戦が成功する度に、ファントリアンの兵士がレールを血で染めて主導権をまた取り返す。
 いたちごっこだった。
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